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■グラサントレーナー“Roo(ルー)”とは…?

早大ラグビー部佐々木組の学生トレーナーとして、早大の大学選手権連覇、日本選手権でのトヨタ自動車戦勝利に貢献。卒業後、南半球へと旅立ち、現在はオーストラリアの某強豪プロチームで修行を続けるさすらいのトレーナー。トレードマークはサングラス。

本人によるブログは(http://gurasantr.exblog.jp/)。

※“Roo”のスポーツクリ ニック」についてご意見・ご感想はこちらへどうぞ
お問い合わせ先 rugbycolum@wasedaclub.com

“Roo”のスポーツクリニック

Vol.18 膝関節靭帯損傷のリハビリ&再発予防トレーニング投稿日時:2007/06/18(月) 11:15rss.gif

前回は現場での応急処置まで話をしました。今回はその続き、膝関節の靭帯損傷の際の競技復帰までの流れ、競技復帰した後の、患部強化にスポットを当てて話をしていきたいと思います。

今回はラグビーにおいて一番多くみられる、2度のMCL損傷に焦点を絞り、競技復帰までのリハビリテーション(以下リハビリ)を紹介します。

膝関節の靭帯の損傷が疑われるような怪我をしてしまったら・・・

まずは、しっかりとRICE処置を行いましょう。その後、整形外科に行って診察を必ず受けてください。特に腫れが見られる、痛くて体重をかけられない、Pop音(破裂音)がしたなどの症状が見られる時は重症度の高い捻挫やその他の膝関節の怪我の可能性が高いため、安易な考えはすぐに無くしましょう。

注意 リハビリは必ず診察して頂いた医師の指示に従って進めていってください。

以下のリハビリメニューはおよその目安として使ってください。
≫MCL損傷(2度)リハビリテーションスケジュール

腫れのコントロール(Step1)

怪我をすると部位に関係なく、患部には腫れが出て、強い痛みが見られ、関節の可動域が制限されてしまいます。膝関節も同じです。一日も早く痛みをなくし、スポーツ復帰するためには腫れを軽減させること、可動域を元通りすることが必要です。
まず、腫れを少なくし、可動域を確保する一番の方法はRICE処置です(Vol.3 RICE処置を参照)。患部をアイシングし、その後圧迫し安静にしましょう。繰り返しになりますが、怪我をしてからの二日間は入浴・飲酒を避け、RICE処置を2~3時間おきに行いましょう。

腫れがなくなり、痛みがなくなったら本格的なリハビリ(可動域の回復・患部の筋力トレーニング・バランストレーニング)の開始です。

ここで、ひとつ約束!!
リハビリは痛みを感じるまでやらない。
すべて痛みの出ない回数、強度でおこなってください。

可動域の回復(Step2)

すべての怪我のリハビリの第1段階は可動域トレーニングです。膝の可動域トレーニングは、長座(足を伸ばして座り)になり、痛みの出ない範囲でゆっくりと曲げ伸ばしをします。このトレーニングを「ヒールスライド」と言います。

・ヒールスライド

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アイシングを15分程度行い患部の痛み感覚を鈍らせてから、可動域トレーニングをし、感覚が少し戻ってきたら、またアイシングを5分間ぐらいし、再度感覚を鈍らせてトレーニングを行い、このサイクルを数回繰り返す「クライオキネッティックス」もかなり効果的です。

両足に均等に体重をかけられるようなったら、両足を肩幅ぐらいに広げて、痛みの出ない範囲での膝の曲げ伸ばし(両足スクワット)で可動域トレーニングを行いましょう。

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<注意点>
・膝とつま先の方向は真正面(同じ向き)
・膝を曲げた際、膝はつま先より前面に出さない。

この二つの注意点は他のリハビリメニューにおいても同じです。絶対に守ってください。

筋力トレーニング

膝の靭帯損傷の場合、突発的なアクシデント(接触型)で受傷する事も多くありますが、非接触型の受傷は、自分自身のパフォーマンスに対して、膝周囲の筋力不足し、過度のストレスが膝に加わってしまっての受傷が考えられます。また、靭帯は、一度損傷してしまうと、元の状態になることはまずなく、関節の安定性の再獲得や怪我の予防、再受傷の予防には筋力強化が不可欠になってきます。また、普段使っていない筋肉をいきなり使おうとしても、脳からの指令がスムーズに筋肉に伝わらず、正しく筋肉を動かすことが出来ません。従って、前もってトレーニングをし、筋肉を正しく使えるようになることが大切になります。

<Step2の膝周囲の筋肉トレーニング>

・アイソメトリックトレーニング(Quad Setting, SLR)

アイソメトリックトレーニングとは…
関節は動かさずに筋肉を収縮させるトレーニングです。

[Quad Setting]

長座位で膝の下に枕を置き、膝を少し曲げた状態から伸ばしながら、枕を下方に押し付けます。その状態を5秒間続けます。それを10回繰り返します。モモの前の筋肉に力がはいっている事を確認しながら行ってください。

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[SLR(Straight Leg Raise)]
・股関節屈曲

仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま足を持ち上げます(股関節を屈曲させます)。その状態を5秒続けます。それを10回繰り返します。モモの前の筋肉(大腿四頭筋)に力がはいっている事を確認しながら行ってください。

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・股関節伸展

うつ伏せに寝て、膝を伸ばしたまま足を持ち上げます(股関節を伸展させます)。その状態を5秒続けます。それを10回繰り返します。モモの後ろの筋肉(ハムストリング)に力がはいっている事を確認しながら行ってください。

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・股関節外転

横向きに寝て、膝を伸ばしたまま上側の足を持ち上げます(股関節を外転させます)。その状態を5秒続けます。それを10回繰り返します。お尻の横の筋肉に力がはいっている事を確認しながら行ってください

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Sep1のリハビリは基本的に膝の曲げ伸ばしを伴わないで、膝の周囲の筋肉のトレーニングです。5秒Hold→Relaxを10回繰り返す事を基本に行います。これらのトレーニングは、自分の体重だけで行える非常に手軽なトレーニングです。加齢に伴う、膝周囲の痛みに対しても効果的です。

<Step3の膝周囲の筋肉トレーニング>

膝屈曲位でのアイソメトリックトレーニング
自体重を使ったトレーニング
[空気椅子]

通販や大手量販店で簡単に手に入れる事の出来るバランスボールを壁と背中の間に挟み、空気椅子を行います。膝が90°になるまで、身体を沈めましょう(正直辛いです)。その際、つま先をしっかりと前方に向け、蟹股や内股ならないように注意しましょう。膝も同様に、つま先と同じ向くように注意しましょう。
絶えず、つま先と膝が同じ向きを向いている事が、Knee in-Toe outを予防し、膝の怪我の予防に繋がります。
空気椅子も30秒Holdを4Set頑張りましょう。もし、30秒間耐える事が出来なかったら、自分の耐えられるMaxの長さを4Setしましょう。少しずつ、その時間が長くなるはずです。

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さらに膝にボールなどを挟むことで、内転筋のトレーニングもあわせて行う事が出来ます。

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[カーフレイズ]

(Vol.13 足関節捻挫のリハビリを参照)

ふくらはぎの筋肉の1つの腓腹筋は膝に筋肉のくっついているため、膝の屈曲にも関与しています。従って、膝の怪我のリハビリにおいてもカーフレイズは重要です。

<Step4の膝周囲の筋肉トレーニング>

より強度の高い患部周囲の強化
[フロントラウンジ]

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両足立ちから、写真のように大きく片足を踏み出し、しっかりと腰を落とします。お尻からモモ裏にかけて負荷を感じるように行いましょう。踏み出し足のつま先は、真正面を向け、膝も同じ方向です。絶えず、膝の向きを注意しましょう。まずは、その場で左右10回ずつ行い、慣れてきたら距離を決めて(22mなど)、Walkingで行いましょう。
後ろ側の膝は地面には付けません。キツイですが、我慢です。


[サイドラウンジ]

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フロントラウンジ同様、両足立ちから横方向に足を振り出します。相撲の四股のような姿勢になります。お尻に負荷を感じてください。何度も言いますが、つま先と膝の向きは同じです。


[One Leg Bridge]

台の上に片足を置き、モモの裏(ハムストリング)に力を入れて腰を浮かします。その状態を3秒間続けます。それを10回繰り返します。10回×3セットが目標です。

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バランストレーニング
[片足立ち]

(開眼、閉眼、ハンドダミーの上で、後ろから押してもらう、ボールパス)

[One Leg Pick Up(Good Morning)]

片足立ちになり、軸足側のつま先前方にマーカーまたはボールなどを置きます。膝をなるべく曲げずに、骨盤をうまく動かしながらそれを拾い上げます。かなりももの裏の筋肉(ハムストリング)に負荷を感じるはずです。10回×3セットを目標に行いましょう。

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<Step5の膝周囲の筋肉トレーニング>

バランス及び患部強化のトレーニング
[One Leg Bridge with Ball]

台の代わりにバランスボールを使って、One Leg Bridgeを行います。足場が不安定になってかなり難しく、負荷も強くなります。かなりキツイトレーニングです。これも腰を上げた状態を3秒間続け、それを10回繰り返しましょう。これもまた、10回×3セットが目標です。

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[One Leg Bridge with Ball & Curl]

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さらに発展系として、腰を持ち上げたブリッジの状態で、ボールをお尻の方に足を使って寄せてくるカールを入れると、さらに負荷が強くなります。ハムストリングが効果的に鍛えられます。


[One Leg Squat]

片足でスクワットをします。
しっかり上半身を起こし、膝がつま先より前方にでないように、膝とつま先の向きが真正面を向くように注意しましょう。
膝周囲の筋力がかなり必要な難しいトレーニングです。10回×3セットを目標に行いましょう。

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復帰後の患部強化メニュー

  1. 片足立ち(後ろから押してもらう) 30秒×2セット→バランス
  2. 片足スクワット 15回×3セット→筋力強化
  3. カーフレイズ 15回×3セット→筋力強化
  4. One Leg Bridge 15回×3セット→筋力強化
  5. アイシング

次回、再受傷予防のためのテーピングを紹介します。

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