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■グラサントレーナー“Roo(ルー)”とは…?

早大ラグビー部佐々木組の学生トレーナーとして、早大の大学選手権連覇、日本選手権でのトヨタ自動車戦勝利に貢献。卒業後、南半球へと旅立ち、現在はオーストラリアの某強豪プロチームで修行を続けるさすらいのトレーナー。トレードマークはサングラス。

本人によるブログは(http://gurasantr.exblog.jp/)。

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“Roo”のスポーツクリニック

Vol.35 成長期のスポーツ障害 オスグッド-シュラッター病投稿日時:2009/04/25(土) 16:11rss.gif

成長期のスポーツ障害 オスグッド-シュラッター病

 

子供たちは成長に伴い、特有のスポーツ外傷・障害を引き起こします。

今回は、急激に身長が伸びる時期に起きる膝痛、主に膝のお皿の下に骨が隆起してくるオスグッド-シュラッター病(以下:OSD)について紹介したいと思います。

 

【成長期のスポーツ障害の特徴】

筋肉や腱などの軟部組織は繰り返しの牽引力、圧迫力、剪断力といった物理的なストレスによって慢性的な障害を引き起こします。成長期には特に牽引性ストレスに由来するスポーツ障害(OSD・膝蓋靭帯炎など)と圧迫性ストレスに由来するスポーツ障害(離断性骨軟骨炎など)が多く見られる。

OSDに代表される骨端症は、骨-軟骨接合部に加わる牽引性のストレスによって微小裂離が生じ、骨端部の細胞が壊死を起こすものである。この現象が靭帯に生じると膝蓋靭帯炎になります。

 

【オスグッド-シュラッター病とは】

(写真1) (図1)

脛骨の膝側の成長軟骨の一部(apophyseal stageの二次骨化中心)が大腿四頭筋の慢性的な筋緊張や膝蓋靭帯への慢性的な牽引ストレスにより、剥離する成長期特有のスポーツ障害です。

 

OSDに好発年齢】

子供の第2次成長期の出現は男女間で女子(約11歳)が男子(約13歳)に比べ約2年早い傾向があります。また、同性間でも個人差が大きく、子供たちの発育発達は約4年の差があることを頭の片隅に留めておいてください。

OSDは身長が1年に10cm程度伸びる伸長発育スパート年齢前後で好発します。一般的に男子で小学校6年生~中学校1年生、女子で小学校の46年生がこの時期に当たります。

 

【原因】

成長期の筋・骨格系の問題

骨の長軸成長に筋肉や腱の伸長が追いつけず、一時的に筋肉・腱が短縮する期間があります。特に脚の成長の約70%は膝周囲の骨端線で起こるため、大腿四頭筋の緊張が急激に増加し、脛骨粗面のストレスになります。

一方、脛骨粗面も11歳ぐらいから成長軟骨(二次骨化中心)が出現し、膝の方向へ新しい骨を作り始め、14歳ぐらいで他の成長軟骨と癒合して、1618歳ぐらいで完全に骨化する。つまり、成長期の脛骨粗面部は力学的に弱く、緊張した大腿四頭筋の牽引力によって剥離する危険性が高いのです。

 

【トレーニング環境・用具】

競技スポーツの若年化に伴い、指導者が子供たちに過負荷な練習を行わせオーバートレーニングなっているケースが多く見られます。また、人間の膝はランニング中一歩ごとに体重の57倍以上の負荷を受けているため、硬い地面(アスファルトなど)や凸凹の地面、坂道などが障害発生原因になる事もあります。

用具ではサイズのあっていない靴、踵をつぶした靴は脚に負担をかけるためOSDなどのスポーツ障害の原因になります。必ず適切な用具を正しく使用しましょう。

 

OSDの予防方法】

ストレッチ

大腿部の筋肉群は骨に対して相対的に緊張状態にあります。従って、それらの筋肉-腱ユニットの柔軟性を確保する事が不可欠です。そのためには適切なストレッチです。

(写真2)

写真2のようなモモ前のストレッチ(ハードルストレッチ)が一般的に行われていますが、大腿四頭筋の一つである大腿直筋は二関節筋(股関節と膝関節の二つの関節に作用する筋肉)であり、作用としては膝関節の伸展・股関節の伸展です。写真のような姿勢では、股関節が屈曲しているため、十分なストレッチが行えていません。

横向きに寝て股関節伸展位でストレッチが適切なモモ前のストレッチ姿勢になります。また、Vol.23クーリングダウンで紹介したストレッチバンドを使用するさらに効果的なストレッチが出来ます。

(写真3)

圧痛チェック

成長期の膝周りの痛みは、出てくる場所が限局されている(脛骨粗面(OSDで骨の隆起する場所)や膝蓋骨(膝のお皿)周囲)。その部位に痛みが出現した、入念にストレッチを実施したり、練習や試合前にホットパックなどで温める事で、重篤化を予防出来ます。

 

身長チェックとトレーニング内容の変更

身長増加とスポーツ障害は大きな関係があります。

身長発達スパート期は筋肉と骨の関係が乱れ、運動が緩慢になるのが普通です(クラムジー)。指導者の方はこの事について留意する必要があります。

 

定期的な身長計測で、その子供成長段階を明確にし、身長発達スパート期前後でスポーツ活動が過負荷にならないよう留意する事は成長期のスポーツ障害の有効な予防方法です。また、OSDは軸足に発症するケースが多く(片側性の場合83%が軸足)、筋疲労を起こし安ジャンプやストップ動作などは両足で均等に行うなど、左右のバランスを配慮したトレーニングメニューも予防に効果的です。

 

サポーター

脛骨粗面直上に鉢巻状に締め付けるサポーターは大腿四頭筋の筋力の脛骨粗面からの分散という点では有効です。

(写真4

OSDを防ぐには、オーバートレーニングをしない。ウォーミングアップとクーリングダウンを十分に行い、モモ前の筋肉(大腿四頭筋)を張らないようセルフケアをする事が重要です。

もし、万が一OSDになってしまったら、必ず専門医を受診しましょう。

 

【参考文献】

広瀬統一.スポーツ選手の骨成長と膝痛.臨床スポーツ医学.23(9);1005-1012

池田浩.Osgood-Schlatter病の発症要因と予防,保存的治療. 臨床スポーツ医学.23(9);1029-1034

写真1 臨床スポーツ医学.23(9);p1045より引用

図1  Roland Bahr, Sverre Maehlum, Tommy Bolic. Clinical guide to sports injuries.Human Kinetics.2004.p352より引用

写真4 http://www.alcare.co.jp/より引用

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