
■グラサントレーナー“Roo(ルー)”とは…?
早大ラグビー部佐々木組の学生トレーナーとして、早大の大学選手権連覇、日本選手権でのトヨタ自動車戦勝利に貢献。卒業後、南半球へと旅立ち、現在はオーストラリアの某強豪プロチームで修行を続けるさすらいのトレーナー。トレードマークはサングラス。
本人によるブログは(http://gurasantr.exblog.jp/)。
※“Roo”のスポーツクリ
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“Roo”のスポーツクリニック
Vol.20 Core Strength Training投稿日時:2008/01/17(Thu) 12:52
Core Strength
あるオーストラリア人のコーチが言った一言。
「ラグビー強豪国の選手と日本人選手の違いは、コア(体幹)の強さである」
ここ数年、コアトレーニング・コアスタビライゼーション・コアコンディショニング・コアリラクゼーションなど「コア」とつく言葉をよく雑誌やテレビで見るようになっているかと思います。
今回はコアとはいったい身体の何処の部位をさすのか?
どうやったら、Core Strengthが付くのかを考えてみたいと思います。
・コアとは
「コア」とは身体の何処を指すのか明確に定義されていないのが現状です。「コア」=体幹、「コア」=腹筋・背筋、「コア」=身体の中心など単純化した考え方が出来ない訳ではないのですが、実際にそれだけでは不十分です。
「コア」とは「背骨をサポートする筋肉、及び背骨と接する関節(特に肩甲骨と骨盤)に関与する筋肉の総称である。」と私は定義したいと思います。
なぜこのように定義するかと言うと、人間は脊椎動物であり、背骨をまず中心に考える必要があるのです。また、動作において力発揮の源は体幹部にあると言われています。
これはある研究で腹横筋(深部腹筋→図1参照)の筋収縮は上肢(腕)の運動開始において0.03秒前、下肢(脚)の運動開始において0.11秒前に起こるという事実を背景にしています。(参考文献:Hodges P W,Richardson C A.Inefficient muscular stabilization of lumber spine associated with low back pain:A motor control evaluation of transverses abdominis.Spine.1996;20:757-762)このように全ての動作(立つ・座る・歩く・走るなど)は腹横筋の筋収縮から始まる事により動作をスムーズに行うことができるのです。スポーツにおいてももちろん同じです。
図1:体幹の断面図(参考文献:稲葉晃子.コアスタビライゼーションの重要性.Training Journal.2003;11:41-45)
スポーツ動作においてパフォーマンスとして表現するためには、上半身(腕)・下半身(脚)をスムーズに動かさなければいけません。上半身・下半身のスムーズな運動のためには、肩甲骨周囲及び骨盤周囲の柔軟性と筋力が必要不可欠です。
スポーツ動作において体幹部の筋肉は上半身と下半身との連動や下半身において生み出された力を上半身に伝えるために重要な役割を果たしているため、「コア」のトレーニングを無視する事は出来ないのです。
・ なぜCore Strengthが必要か?
パフォーマンスの向上
①状況判断能力の向上
Core Strengthが付くことで、体幹部に軸が出来る。体幹部が安定すると姿勢が良くなり、視界が広くなり状況判断能力が向上します。
②運動能力の向上
上半身と下半身の連動がスムーズに行えるようになり、ムラのないスムーズな動きが可能になる。効果として、
1.足が速くなる
2.ジャンプ力がつく
3.キック力がつく
4.強いタックルができるようになる
5.強いスクラムが組めるようになる
6.俊敏性が身に付くなど...
このように良いことばかりなのです。
・ 実戦 Core Strength Training
一生懸命、たくさん上体起こし腹筋をすればCore Strengthは付くでしょうか?
残念ながら答えは「No」です。
Core Strengthに関係している筋肉は、背骨のまわりなど身体の深部にあります。従って、いくら目に見える、筋肉を鍛えてもCore Strengthは付きません。
さて、どうすればCore Strengthは身に付けられるのでしょうか?
答えは・・・
不安定な状態などでTrainingを行うことで、身体は自然にバランスを保とうとして、Core Strengthに関係する筋肉を鍛える事が出来ます。
多くのCore Strength Trainingがバランスボールやバランスディスク、ストレッチポールなどのバランス系道具を使って行われています。その他自体重を活用したEx.も多くあります。また、ヨガやピラティスと言った呼吸法に着目し、かなり遅い動きを不安定な姿勢で繰り返し行うこれらもCore Strength Trainingと言うことが出来ます。このように一言にCore Strength Trainingと言っても多様です。
実際に多くのSuper14のチームで週に1回程度のヨガまたはピらティスのレッスンを行っています。
具体的なエクササイズを紹介しましょう。
Prone Bridge
Ex.姿勢:腕立て伏せの開始姿勢、またはその状態で写真のように肘で身体を支えます。踵から頭までが一直線になるよう腹部に力をいれましょう。
Ex時間:Ex姿勢を60秒間Keep
Side Bridge
Ex.姿勢:写真のように肘立ちで横向きになります。お尻を地面から浮かし、身体を足から頭まで一直線になるように腹部に力をいれましょう。
Ex時間:Ex姿勢を60秒間Keep
Low Back Isolation
Ex.姿勢:膝を曲げて仰向けに寝ます(Ex.開始姿勢)。Ex.開始姿勢から腰を地面から浮かし、肩から膝までが一直線上になるように腹部・臀部・もも裏に力をいれましょう。
Ex時間:Ex姿勢を60秒間Keep
⇔
Kneeling Arm&Leg Raise
Ex.姿勢:四つんばいから右手と左足を伸ばします。踵から手の指先までが一直線になるように腹部・臀部に力をいれましょう。
Ex時間:5秒かけて手足を伸ばし、5秒Keep、5秒かけて手足を戻し、左右の伸ばす手足を変えましょう。左右10回ずつしましょう。
Balance Ball Roll Out
Ex.姿勢:写真のようにバランスボールの上に肘を置き、膝立ちになります(Ex開始姿勢)。Ex開始姿勢からバランスボールを前方に転がし、膝から肩までが一直線上になるように腹部・臀部に力をいれましょう。
Ex時間:2秒かけて前方へ移動、2秒かけて元のEx開始姿勢に戻ります。それを12回繰り返します。
Jackknife
Ex.開始姿勢:足をバランスボールの上に置き、腕立て伏せの開始姿勢になります(Ex開始姿勢)。バランスボール前方に転がしながら、膝を胸に近づけます。
Ex時間:2秒かけて膝を曲げ、2秒かけてEx開始姿勢に戻ります。それを12回繰り返します。
⇔
Balance Ball Supine Bridge
Ex.姿勢:膝を90度に曲げて、バランスボールの上に肩(上半身)をのせます。膝から頭までが一直線になるように腹部・臀部・もも裏に力をいれましょう。そこから片一方の足を一直線に伸ばします。
Ex時間:左右10回ずつ足を伸ばしましょう。
⇔
ここからは、少しラグビーに特化したEx.の紹介です。All BlacksやWallbiesもまったく同じEx.をやっています。
Scrum Isolation
Ex.姿勢:スクラムの開始時の姿勢(クラウチの姿勢)になり、パートナーに背中や肩などをあらゆる方向に押してもらいます。この時に、腹部・臀部に特に力が入っている事を意識してください。
Ex時間:Ex姿勢を30秒間Keep。
1 on 1 Scrumming
Ex.姿勢:1対1のスクラムです。四つんばいから、スクラムの姿勢まで膝を浮かします。もちろん手も地面から離します。
その際、膝と股関節の屈曲角度が90度になるようにしましょう。また背中が丸まったり、過度に反り返ってはいけません。お尻から肩まで一直線(ニュートラルポジション)になるようにし、腹部・臀部に特に力が入っている事を意識してください。
Ex時間:2秒かけてあがり、5秒上でKeepして、また2秒かけて戻りましょう。それを5回繰り返します。

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