
■グラサントレーナー“Roo(ルー)”とは…?
早大ラグビー部佐々木組の学生トレーナーとして、早大の大学選手権連覇、日本選手権でのトヨタ自動車戦勝利に貢献。卒業後、南半球へと旅立ち、現在はオーストラリアの某強豪プロチームで修行を続けるさすらいのトレーナー。トレードマークはサングラス。
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“Roo”のスポーツクリニック
Vol.31 試合後のRecovery プールリカバリー編投稿日時:2008/10/24(金) 11:44
試合後のRecovery Active Rest(プールリカバリー)編
突然ですが問題です。
試合の翌日は、何もせず完全休養をした方が良い ○or×?
正解は×です。
テレビのスポーツニュースでサッカー日本代表選手がプールの中で歩いたり、ストレッチしている姿を見たことがある人もいると思いますが、試合の翌日に軽い運動やストレッチングなど能動的に身体を動かすことを方が積極的休息(アクティブレスト)と言い、疲労回復効果が高いことが知られています。中でも水中でのアクティブレストがより効果的で、広く行われています。今回はなぜ、プールリカバリーが疲労回復に効果的なのか紹介しましょう。
1.水の特性
水には浮力・水圧・抵抗・熱伝導の4つの特性があります。
浮力
浮力は身体をリラックスさせる事に大きく貢献します。
人間は、普段陸上で生活していますが(当たり前の事ですが…)、その際脊柱起立筋(背骨のすぐ横の筋肉など)や腰の筋肉などは絶えず重力に対抗して身体を支え続けています(抗重力作用)。浮力によって、このようなストレス状態から一時的に解放させて身体の負荷を軽減され、これらの筋肉をリラックスさせる事が出来ます。
また、これらの筋肉は腰痛とも大きく関係しており、腰痛軽減にも効果的です。
水圧
ご存知の通り、水深が深くなればなるほど水圧は増します。人間の身体の静脈は体表近くを通っており、身体が圧を受けると静脈も同時に圧を受けます。激しい練習後や試合後の静脈血は疲労物質を多く含んでいるため、このような圧を受けるとことで、心臓に戻りやすくなり、疲労物質の改善が促進されます。
特に脚に疲労を感じている時は、水深が深い所を歩くと効果的です。これは営業職のサラリーマンの方の脚のむくみなどにも有効です。
抵抗
水は空気の800倍もの抵抗(粘性)があると言われており、当然陸上で体を動かすよりも負荷抵抗が掛かり、すばやい動きを行う事が出来ません。そのため、筋肉に過剰な負荷がかかりにくく、運動後の筋肉痛も少なく、比較的安全にトレーニングすることが出来ます。
熱伝導
水の熱伝導率は空気の23倍と言われ、冷たい水に浸かっていると直ちに体温が奪われ、お風呂など暖かい水(お湯)に浸かっている汗をかくほどに体温が上昇する事があります。従って水温はプールリカバリーにとって重要な条件になります。
水温が体温前後だと副交換神経が働き、リラックス効果が高まります。そのため、公衆浴場や温泉などでは温度が36-40℃ぐらいに設定されています。42℃を超えると交感神経の働きが優位になり、リラックスには逆効果とも言われています。
一般的なプールでは水温は28-30℃ぐらい設定されているので、軽度の運動をする事によってさらにリラックス効果が得られる訳です。
2.実際のメニュー
トップアスリートたちはどのような事をプールリカバリーで行っているか、紹介しましょう。
Active Exercise
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Walk 25m×2 |
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Back Walk 25m×2 |
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High Knee Walk 25m×2 |
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ランジWalk 25m×1 |
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サイドランジWalk 25m×1(Each Side) |
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カリオカ 25m×1(Each Side) |
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股関節External/Internal Rotation Walk 25m×1(Each) |
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Jogging 25m×2 |
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蹴伸び 5本 |
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ゆっくりバタ足(25m) 25m×2 |
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ゆっくりクロール(25m) 25m×2 |
*疲労が強い場合はゆっくりバタ足とゆっくりクロールは行わない
水中動的ストレッチ
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Leg Swing(Front/Back) 20回 |
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Leg Swing(Side) 20回 |
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Hip Kick 20回 |
水中静的ストレッチ
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モモ前 30sec(Each) |
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ハムストリング 30sec(Each) |
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ふくらはぎ 30sec(Each) |
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腕 30sec(Each) |
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肩 30sec(Each) |
リラクゼーション
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ビート板を抱えて浮くorブールサイドを掴んで浮く |
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もしジャグジーがあれば、ジャグジーに浸かる。 (ジャグジーやジェットバスは水流によって筋肉が振動を受け、マッサージ効果が得られます) |
こういった内容を30分以内で行います。
(長く行うとリカバリーの意味がなくなって、トレーニングになってしまうので…)
そうすると軽度運動および水圧による帰還血流量の増加、浮力による抗重力筋のリラックス、水温により副交感神経の働きが優位になりリラックスし、疲労回復が促進されます。このようにアクティブレストは完全に休養した時よりも疲労を早期に回復させてくれる訳です。
以前紹介した、水風呂とお湯に交互に浸かる交代浴を行うと疲労回復にさらに効果的です。
参考文献
山本利春:アクアコンディショニングの有効性 ~特集にあたって~,トレーニング科学, Vol.19, No.3, 2007

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