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チア東京
ブログ 2008/4/18
Vol.23 クーリングダウン[“Roo”のスポーツクリニック]
投稿日時:2008/04/18(金) 12:56
Vol.23 クーリングダウン
1. 帰還血流量の確保
運動中は筋がリズミカルに収縮することで身体中の骨格筋に送り届けられた血液を心臓まで戻しています。この作用をミルキングアクションと言います。クーリングダウンなしで、運動を急に止めてしまうとこのミルキングアクションが無くなってしまい、スムーズに血液が心臓まで戻らなくなり、抹消に血液が貯まってしまい、めまいや失神が起こる可能性があります。したがって激しい運動を急に止めて何もしないというのは危険なのです。
2. 乳酸除去の促進
クーリングダウンをやることによって、疲労物質である乳酸を除去することができ、疲労回復を促進します。
乳酸は運動に伴うエネルギー精製の過程によって作り出される副産物で、筋のphを低下させ、スムーズな筋収縮をできなくさせてしまう物質です。
乳酸除去は筋から血液の拡散によって行われていて、血流量が大きく関係しています。したがって、適度な強度の運動(VO2maxの32%)で行うと血流量が増加し乳酸除去能力が向上するのです。
注:VO2maxの32%とは軽いジョギング程度の運動です。
3. 筋痛の予防
クールダウンで行うストレッチは筋の緊張をとり、筋痛の予防や筋の損傷の回復を促進させる効果があると言われています。
4. 運動後の超過代謝の減少
クーリングダウンを行うことで、運動後の超過代謝の総和(酸素負債)は13%ほど減少すると言われており、換気量の低下を導いて呼吸運動を正常な状態へと戻します。すなわち、息切れを早く治してくれるのです。
効果的なクーリングダウンメニュー
ジョギングでグラウンドの横を2往復します。その際徐々にスピードを落としていき、最後には歩くぐらいのなるとより効果的です。その後ストレッチを行ないます。この時のストレッチは心臓から遠い部分からはじめ、血液を心臓に帰してあげるイメージで行ないましょう。
また、クーリングダウンの時にオレンジジュースのようなクエン酸を多く含んだ飲み物飲むとクエン酸回路がよく回るようになり速やかな乳酸除去が可能になります。ワセダの選手たちも試合の後は100%のオレンジジュースを飲みながらクーリングダウンしています。
私が現在働いている、Super14 QR QLD Redsでは試合後に1.2L(水600cc、スポーツドリンク600cc)の水分補給を選手に義務付けています。特に気温が高い日の試合では発汗量が多く、試合前後で体重が3~4kg減少します。それだけ、体内は脱水状態になっています。また、試合で受ける筋ダメージも大きいので、必ずプロテインを飲ませます。これは、たんぱく質を摂取し、筋肉の疲労回復及び、再構成を促すためです。
ウォーミングアップとは異なり、クーリングダウンでの静的ストレッチの効果を否定する論文は一つもありません。すべて疲労軽減や回復促進に肯定的です。すなわち、クーリングダウン時のストレッチは非常に効果的であるということです。
しかし、どうしても一人ではストレッチをしづらい部位が存在します。例えば、ハムストリング(モモ裏)などです。それらの部位を一人で効果的なストレッチを可能にさせてくれる道具があります。その名は「ストレッチバンド」。ストレッチバンドはWallabiesのフィジオ(トレーナー)が開発した商品で、セルフコンディショニング(身体の自己管理)にも非常に打って付けです。
ストレッチバンド
海外のラグビーが好きな人ならWallabiesの選手が、ゴムバンドを使ってストレッチをしているのをテレビで見たことがあるかと思います。日本でもラグビーマガジン(ベースボールマガジン社2007.5)に紹介されたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ストレッチバンドはWallabiesをはじめ多くのラグビー選手、アスリートに幅広く愛用されている商品です。

ストレッチバンドの特徴
・ 適度な太さのため捻じれづらい
・ 素材が丈夫で、特にサイドがほつれづらい
・ 張力が均等にかかる
・ 張力の強さがストレッチに最適
・ 身長にあわせて3種類ある
ストレッチバンドを開発したキャメロンはラグビーのプロップの選手としてWallabies、QLD代表(現QLD Reds)に選ばれた経験があり、Wallabiesのフィジオを長年勤めていました。すなわち、選手・フィジオ両方の視点からこの商品を開発したそうです。(なお、キャメロンは現在の私の上司です。)
さっそく使い方を紹介したいと思います。
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ハムストリングのストレッチ
ストレッチバンドを胴体と足に引っ掛け、仰向けに寝て膝を伸ばす。股関節の屈曲具合でストレッチの強度を調節する。モモ裏(ハムストリング)に対して効果的なストレッチ。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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ハムストリング内側のストレッチ
ハムストリングのストレッチから脚を外側に倒す。外側に倒した脚は地面に付かないようにする。また、両肩は地面から浮かさない。股関節の付け根周囲と内転筋群に対して効果的なストレッチ。ストレッチの強度を上げたければ、片手でストレッチバンド掴み張力を強くする。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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ハムストリング外側のストレッチ
ハムストリングのストレッチから脚を内側に倒す。両肩は地面から浮かさない。臀部・大腿部後面に対して効果的なストレッチ。ストレッチの強度は脚を内側に倒す角度によって調節。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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ヒップフレキサー(股関節屈筋群)
タオルなどのクッションの上に片膝を置き、膝を付いている方の足にストレッチバンドを引っ掛ける。ストレッチバンドを反対側の肩で背負うようにし、下腹部に力をいれたまま腰部を前方に押し出す。長時間座っている人や腰がいたい人、ランニングトレーニングの後には効果的なストレッチ。ストレッチの強度は脚を内側に倒す角度によって調節。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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臀部のストレッチ
ハムストリングのストレッチの姿勢から、片方の膝を曲げストレッチバンドと反対側の大腿部(こちら膝は伸展位)の間に脚を入れます。伸びている膝を徐々に屈曲させ、臀部にストレッチ感を感じます。ストレッチ強度は膝の曲げ具合によって調節。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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モモ前&腸脛靭帯のストレッチ
横向きに寝て、膝を曲げ、上側の足にストレッチバンド引っ掛けます。ストレッチバンドを同側の肩に背負うようにし引っ張ります。ストレッチバンドの張力によってストレッチの強度を調節します。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。これがモモ前(大腿四頭筋)のストレッチです。
モモ前のストレッチの姿勢で、下側の足を上側の脚の膝のすぐ上で組み、下方へストレスを掛けると腸脛靭帯のストレッチになります。長時間走った後やランニング障害予防には効果的なストレッチです。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
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体側のストレッチ
胴体と足にストレッチバンドを引っ掛けます。片方の膝は伸展させ、反対の膝を屈曲し、伸展している方の脚へ上半身を倒します。その際、腕を上げ、手でつま先を触るような感じで体側を伸ばします。反動を使わず、ゆっくりと伸ばしましょう。痛き気持ち良いストレッチ感が適度な感覚。ストレッチを30秒間行う。
ストレッチバンドは最近、日本でも購入することが可能になりました。
株式会社On The FieldのHPより通信販売で購入可能です。実は私の推薦文も掲載されています。
一流のスポーツ選手が実践しているセルフコンディショニングを行って、怪我の予防・パフォーマンスの向上を実践しましょう。
私のようなトレーナーは、残念ながらトップチームにしかいません。ストレッチバンドは、トレーナー提供するサービスの一つであるパートナーストレッチを一人で行えるようにしてくれます。
参考文献
形本静夫.ウォーミングアップとクーリングダウンの生理学:スポーツの生理学:市村出版.2001;41-49
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