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チア東京
ブログ 2010/3/18
Vol.8「バンクーバー五輪とラグビー」[楕円球コラム~Extra~ 「清宮克幸の理事室」]
投稿日時:2010/03/18(木) 11:04
盛況のうちに幕を閉じたバンクーバー冬季オリンピックは、みなさんの記憶にはまだ残っていますか?
現在は同地でパラリンピックが行われ、熱戦が繰り広げられていますが、今回の「理事室」では清宮専務理事にコーチとしての視点から、オリンピックについて伺ってまいりました。それでは、ご一読ください。
――今回のバンクーバー冬季五輪は、サントリーの監督を退任した直後に開催されましたが、テレビではご覧になっていましたか?
「観てましたよ。國母選手がよくマスコミに登場していたので……」
――特に印象に残った競技は何でしょう?
「メダルには届かなかったけど、ノルディック複合の小林(範仁)選手が先頭集団から強引に飛び出して『目立ちましたか?』とやっていたレースは痛快だったね」
――日本では、やはり最終日近くに行われた女子フィギュアスケートが一番の盛り上がりを見せましたが、清宮さんはどんな感想をもたれましたか?
「スポーツは、ただ試合だけを見ていてもその価値が分からないことの方が多い。彼女たちのライバル対決はその歴史や背景を事細かにテレビが説明してくれるので、感情移入しやすかった。ラグビーも同様の仕掛けで国民的スポーツになれるかもね」
――キム・ヨナ選手と浅田真央選手のマッチレースは、技術面での勝負もさることながら、精神面でも壮絶な戦いを繰り広げているように感じました。まるで一時期の早稲田と関東学院のラグビー、あるいは古い話で恐縮ですが、ボクシングで言うと1994年12月の「薬師寺保栄vs辰吉丈一郎」のライバルストーリーを思い出してしまったのですが、二人の間には相当な心理戦も繰り広げられていたのではないでしょうか?
「それはそうだけど、コンタクトスポーツでないからね。どちらが先に滑るとかも運命だし、心理戦というよりも平常心勝負なところが大だよね。つまり、自分との勝負のスポーツはより難しいということ」
――ともに19歳の女子ですが、昨季、どことなく自信なさげに見えた早大ラグビー部もメンタルの面では見習うべきところがあるのではないでしょうか?
「しかし、戦う前から完璧にプレーしても相手が勝つと分かっている中で勝負をするしかなかった真央ちゃんが可哀そうだったよ。あのロシア人コーチ(タチアナ・タラソワ氏)はもういいね。100点満点でプレーしたら勝てるように演技構成を組み立てないと……」
――今月の22日からの世界選手権で二人は再び、そしてキム・ヨナ選手は今季限りでのプロ転向も噂されているので、もしかすると最後の対決になるかも知れません。ギャンブラーとして有名な清宮さんとしては、今度の対決はどちらが勝つ方にかけますか?
「同じ演目ならキム・ヨナ。真央ちゃんは100点満点で行けば勝てるように組み替えないと……」
――スピードスケートでは、中学3年生の高木美帆選手が注目を集めました。残念ながら目標としていた自己ベストの更新はなりませんでしたが、15歳という年齢で世界の大舞台に立ったということは、やはり大きな経験になったのではないでしょうか?
「これで、世界に出て修行するのか? 国内で頑張るのか? 注目だね。新たな技術開発や練習方法を改善する能力は日本の方があると思うんだけど……」
――彼女はサッカーでも女子15歳以下選抜合宿に呼ばれていて、Hip-Hopダンスも得意という運動神経の持ち主ですが、ラグビー界も2016年リオ・デ・ジャネイロ夏季五輪に向けて、このような選手を発掘していくことが男女7人制ラグビーについては必要ですよね?
「トップアスリートと呼べる人材が人口の何%かの割合で存在するので、そこへのアプローチはマスト。だけど、その『トップアスリートとは?』というところが、しっかり確立されていないので、なにか基準があればいいんだけどね」
――ワセダクラブのレディースでも、すでに若い選手たちの目標はリオ五輪に向いていますし、今春からは『ラグビー・アカデミー』が開講して、後藤コーチが中学3年生から高校2年生までの男女を世界で通じる選手に育てようという試みが始まります(http://www.wasedaclub.com/topics_detail/id=422)。この試みには、どんなことを期待していますか?
「一石を投じることになると思うよ。時間が合えば、私もコーチしたいね」
――今回の大会には出場できませんでしたが、元ソフトボール日本代表の守護神・高山樹里選手がボブスレーに転向して冬季五輪出場を目指し話題となりました。もしもラグビー界から誰かが冬季オリンピックに参加するとなれば、誰にどんな種目で出場させてみたいですか?
「そんな簡単な話ではないでしょう(笑)」
――逆にこの選手にラグビー(含む7人制)をやらせてみたいと思うような選手は目に付きましたか?
「ハンマー投げの室伏(広治)! 質問に答えていないか?」
――ベテランの選手についても伺います。モーグルの上村愛子選手は長野五輪から連続4大会出場して、7位、6位、5位、4位という結果で、今回もあと一歩のところで目標としていたメダルを逃してしまいました。コーチという立場からしたら、彼女のような実力はあるのに運のなかった選手には、どのような言葉をかけてあげればいいのでしょうか?
「『タラレバ』があれば、チャレンジさせる。もしなければ、もう引退を勧めるね」
――学生ラグビーは毎年選手が入れ替わりますが、社会人はいつまでも現役にこだわる選手がいます。サントリーで言えば清宮さんの現役時代には、長谷川慎選手や中村直人選手(現同志社大コーチ)などが30代後半までプレーを続けました。彼らをどうやってチームに引き止めたのでしょうか?
「体が動く限り現役を続けるのが、ラグビー選手の性!」
――競技とは全く別の問題も起こりました。冒頭で清宮さんも述べていたように、スノーボードの國母和宏選手は乱れた服装と記者会見での発言で、一時は全日本スキー連盟が出場競技辞退を求めるという一幕もありました。最終的には橋本聖子団長の判断で競技に参加して8位入賞しましたが、今回の騒動については、清宮さんはどう感じられましたか?
「他人の声によって動かされた意見は聞く必要がない。連盟が自分の目で辞退を決めたのなら、それに従うのが本筋。しかし、団長が自分の意思で決めることが出来るなら、大岡裁きがベターだろう。もちろんスポーツ選手はただ勝てばいいというわけではない。守るべきルールはルール。しかし、スタイルは大事。このバランスを指導していく必要がある」
――もう時効だと思うので尋ねます。清宮さんが早稲田の監督時代、ある3番の選手が日本選手権1回戦(vsコカ・コーラ戦)の前日にホテルの部屋で喫煙していたのを見つけて、翌日の試合の先発メンバーから急遽外した事件がありました。やはり、その辺りのモラルを身につけさせることは大事だと思われますか?
「試合の勝ち負けよりも大事なものがあるということだね」
――では、最後に想像させてください。清宮さんが本気でカーリングの監督になったら強いチームができそうな気がするのですが、挑戦してみるつもりはありませんか?
「観ていると、ミスショットが必ず起こる競技なので、競技人口が増えるとすぐに強くなれるように感じた。つまり、競技レベルがまだまだ向上するということ。でも、全員がマシーンのようにショットを放ったら、面白みのない競技になってしまうのかなー?」
清宮専務理事の目から見たバンクーバー冬季五輪の感想はいかがでしたでしょうか?
来月は、いよいよ間近に迫ったラグビーW杯予選、それからサッカーW杯本大会についても、清宮さんに質問をぶつけてみたいと思います。
みなさんからの質問もコメント欄で募集していますので、何か疑問に思うことがありましたら、お気軽に記入をお願いいたします。
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