ラグビー

※このコーナーではみなさんが感じている 『ラグビーの素朴な疑問』 を募集いたします。
ラグビーを見ていて「これがわからない」「どうしてこうなるんだろう」と思うことにワセダクラブがお答えします。

例えば「どうしてラグビーボールは楕円型なのか」「なぜゴールポストはH型をしているのか」など、普段は気にしないけれども考え始めたら夜も眠れない(?)といった疑問をメールでどしどしお寄せください。 なお、投稿が多数の場合、お答えする疑問はワセダクラブで選ばせていただきます。

お問い合わせ先 boatcolumn@wasedaclub.com

  • ラグビー
  • 早稲田大学ラグビー蹴球部
  • シニアチーム
  • レディースチーム
  • スクール情報
  • ニュース・コラム
  • 楕円球コラム~Extra~
  • Wonderful Rugby
  • “Roo”のスポーツクリニック

Rugby Familiarization ~ルールと雑学でラグビーに親しむ~

Vol.18 ラグビー雑学その10「スタンドオフ」投稿日時:2006/11/09(木) 16:42

 今回は「スタンドオフ」というポジションについて解説します。
「あれ? 前回はフランカーだったから、NO.8とスクラムハーフを抜かしてるんじゃないか?」
 細かいことは気にせず行きましょう。NO.8、スクラムハーフももちろんやりますのでお待ちください。なお、今回の解説は後藤禎和コーチならびに古庄史和前コーチに伺ったお話をもとに構成しています。

 背番号10の「スタンドオフ」といえば、ラグビーの花形(他のポジションのかた、すみません。あくまでも一般的なイメージですので)。ゲームをコントロールする、チームの指令塔などと呼ばれます。
前にも書きましたが、このポジションには国によっていろいろな呼び名があります。「フライハーフ」「ファイブエイス」「ファーストファイブ」などです(Vol.13参照)。
「スタンドオフ」は「Stand off」、スクラムから離れて立っているという意味です。

 スタンドオフは、フォワードが密集(スクラムも含めて)で獲得したボールをスクラムハーフが出した後(正確には出たボールを持った後)、最初にボールをもらう位置にいます。ボール獲得後のプレーとしては、まずはスクラムハーフの判断があるわけですが、スクラムハーフは密集の近くにいますから、ボール獲得後、すぐにプレーをしなければなりません。その点、スタンドオフは密集から離れて立っていて、全体を見ながら落ち着いてプレーができます。とっさに判断してプレーしなければいけないスクラムハーフに対して、あらかじめサインを出すなどして決めていたプレーを行うのがスタンドオフの役割なわけです。こう考えると、スタンドオフが司令塔といわれる意味もわかってもらえるかと思います。スタンドオフの判断がゲームの流れを左右することも多いわけです。

 判断の基準にはさまざまなものがあります。場所(自陣ゴール前とか、ハーフウエイ付近とか、相手ゴール前のトライチャンスとか)、時間(残り時間)、点差、相手の布陣などがその主なものです。これらは複合的に判断されることも多いです。例えば、僅差で勝っている状況でロスタイムも経過した自陣ゴール前。ここはリスクを取る場面ではないので、確実にタッチキックを蹴りだしてプレーを止めるのがセオリーです。ですが、同じロスタイムの自陣ゴール前でも、僅差で負けている場合はゲームを切ることは許されません(試合が終わってしまうかもしれません)から、タッチキックを蹴らずに自ら突破を図るとか、スリークォーターバックスにパスを回すとか、後ろから走りこんでくるFWに渡して突破してもらうといった選択になるでしょう。
 こういった判断を随時、随所で行い、的確な判断と同時に正確なプレー(正確なキックとか、正確なパスとか)が要求されるポジションがスタンドオフなのです。

「スタンドオフを中心に人が集まっているチームはいいチームです。チームの役職などとは別に、スタンドオフにはゲームリーダーとしての役割がどうしても要求されます。落ち着いて、すばやく、間違いのない判断ができる人。実際は『どうかなあ』なんて思っていても、周りには常に自信たっぷりに大きな顔をしていられる人。そんな人が適しているのではないでしょうか」(後藤コーチ)

「華麗なパスやキックという、エレガントなイメージが強いスタンドオフですが、実際にはコンタクトの強さ、タックルのよさも要求されるポジションです。相手ボールのとき、敵がサイド攻撃(註:密集の近くを突破してくる攻撃。主にFWがやってくる)で抜けてきた場合、最初にその敵を止めなければならない位置にいるのがスタンドオフです。ここでスタンドオフが抜かれてしまうと、大ピンチに陥りますから、敵が巨漢FWであろうと何としても止めなければなりません。もっとも、強いチームはこうした状況を想定して二重にも三重にも対策を立てていますけど」(古庄前コーチ)
 密集に付かず離れずの位置にいるので、密集サイドを敵が突破してきたら、一番近くにいるのがスタンドオフです。当然、真っ先に止めにかかることが要求されるわけです。

 あるいは攻撃面でも、チャンスと見ればどんどんと自ら突破を図れるスタンドオフはいいスタンドオフと言えます(ただし、簡単につかまってしまうと一気にピンチになるので、「チャンスと見れば」という条件付きですが)。
 こうして見てみてると、チームメイトが泥だらけのユニフォームを着ているのにひとりだけきれいなユニフォームを着ているスタンドオフよりも、他の人と同じくらい泥だらけになっているスタンドオフのほうがいいスタンドオフと言えそうです。実際、世界の一流スタンドオフはみな、タックルがうまいです。

 キックやパスやゲームメイクだけでなく、コンタクトプレーもスタンドオフの見せ所。スタジアムではそのあたりもしっかり見てあげて、スタンドオフのナイスタックルには大きな拍手を送ってあげましょう。

ラグビー

※このコーナーではみなさんが感じている 『ラグビーの素朴な疑問』 を募集いたします。
ラグビーを見ていて「これがわからない」「どうしてこうなるんだろう」と思うことにワセダクラブがお答えします。

例えば「どうしてラグビーボールは楕円型なのか」「なぜゴールポストはH型をしているのか」など、普段は気にしないけれども考え始めたら夜も眠れない(?)といった疑問をメールでどしどしお寄せください。 なお、投稿が多数の場合、お答えする疑問はワセダクラブで選ばせていただきます。

お問い合わせ先 boatcolumn@wasedaclub.com

  • ラグビー
  • 早稲田大学ラグビー蹴球部
  • シニアチーム
  • レディースチーム
  • スクール情報
  • ニュース・コラム
  • 楕円球コラム~Extra~
  • Wonderful Rugby
  • “Roo”のスポーツクリニック
  • 北信越支部