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■グラサントレーナー“Roo(ルー)”とは…?

早大ラグビー部佐々木組の学生トレーナーとして、早大の大学選手権連覇、日本選手権でのトヨタ自動車戦勝利に貢献。卒業後、南半球へと旅立ち、現在はオーストラリアの某強豪プロチームで修行を続けるさすらいのトレーナー。トレードマークはサングラス。

 

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“Roo”のスポーツクリニック

Vol.16 スクラム新ルール(4段階エンゲージ)に伴う対応投稿日時:2007/05/24(木) 12:03

2007年1月1日からスクラムにおけるRefereeのコールが変わりました。
何が変わったかと言えば、今までは「クラウチ&ホールド、エンゲージ」の2段階コールだったのが、U-19ルールの「クラウチ、タッチ、ポーズ、エンゲージ」の4段階コールにすべて統一されました。

日本以外の国々は1月からこのルールで試合を行っています。このことはすでに10月ぐらいにIRBから発表になっていましたが、日本は日本選手権を現行の2段階にコールのままで試合をさせていました。他の世界各国は新しい4段階のコールでW杯前の1シーズンをやるのに対して、日本は行わなかった。本当に勝つ気あるの??と思ってしまいます。

前置きはこれぐらいにして。新しいコールになるに伴い、それに対応するために私たちトレーナーがすべきことが本当に多いような気がしています。それは身体の柔軟性が今まで以上に求められるからです。

今回は新しいスクラムルールに焦点を当てつつ、足首・骨盤帯・肩甲骨の柔軟性向上エクササイズを紹介します。

新スクラムルールにおいて、足首、骨盤帯の柔軟性がかなり重要になります。
なぜか?
「クラウチ」でフロントローはスクワットポジションになる。「タッチ」で相手の肩にタッチ、「ポーズ」でその手を離し、静止する。「エンゲージ」でようやくコンテスト。

何が言いたいかというと、フロントローのスクワッティング姿勢の時間が極端に長くなります。

その正しい姿勢を作るためには、足首の柔軟性、そして骨盤帯の柔軟性が不可欠になります。
足首が硬ければ、Strong foot positionを作ることが出来ません。骨盤帯が硬いと静止出来ないだけでなく、どうしても上から降る(腰よりも肩と首が下方になってしまうスクラム)スクラムになってしまいます。これらは体重の重い、PRの選手たちにとって大きな問題になるはずです。

次に重要になってくるのが肩甲骨の柔軟性です。
新しいコールだとよりテクニック、上半身の使い方がスクラムの優劣への影響が出てきます。いかに、僧帽筋、胸部を使って相手の首の自由を奪うか。今までよりもヒットの勢いでごまかしが出来なくなる分、上半身を自在に使いこなせるようになる必要があります。

これらの柔軟性はフロントローたちにとって大きな課題になると思われます。

今回は足首・骨盤・肩甲骨の柔軟性の向上さえるトレーニングを紹介します。

1.足首の柔軟性

・ストレッチボード

これは下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の柔軟性を高めるエクササイズです。
膝を伸ばした状態と膝を曲げた状態の2パターンを各1分しましょう。

・Knee bent walk(=Power walk Vol.08 シンスプリント・疲労骨折 参照

スネの前にある筋肉のトレーニングです。体重を思いっきり前にかけ、踵を上げないようにすり足であるきます。足首を背屈させて歩くため、足首の可動域を広げるエクササイズです。
22mを5本しましょう。


2.骨盤の柔軟性

・Pelvic tilt

骨盤を前後に自在に傾ける動的ストレッチです。腰痛予防にも効果的です。

             

3.肩甲骨の柔軟性

・内転、外転の動的ストレッチ

ポイントは写真のように手のひらを身体の外側に向けることです。

              
 
・バタフライストレッチ(内転・外転の動的ストレッチ その2)

この2つは肩甲骨を寄せたり、広げる動的ストレッチです。左右の肩甲骨の間にある菱形筋を意識して行います。

            
・内旋・外旋の動的ストレッチ

ポイントは手のひらを写真のように身体の外側に向けることです。

             
・ラットプルストレッチ(内旋・外旋の動的ストレッチ その2)

写真のように棒を使って肩甲骨を意識的に動かす動的ストレッチです。


腕を30°以上あげると、腕を2°上げるに対して肩甲骨は1°傾きます。この2つのストレッチは肩甲骨の正しい動きを獲得するとともに、周囲の筋の柔軟性を向上させます。

これらのストレッチを行うことで肩甲帯(肩周囲)の柔軟性が増し、腕を長く使えるようになります。また、スクラムに特化すると、しっかりと胸を張れるようになり相手の首の自由を奪えるようになります。

4.肩甲骨と肩甲骨の両方の柔軟性の向上トレーニング

・Angry cat

Angry catは両手および両膝の4点支持、すなわち四つ這いの姿勢で骨盤中間位をスタート姿勢とし、そこから肩甲骨を外転(肩甲骨を広げる)させ、脊柱を曲げ(屈曲)、骨盤を後傾させ、怒った猫のように背中に上方に凸アーチが出来た姿勢と、肩甲骨を内転(内側によせる)させ、脊柱を伸展し、骨盤を前傾させ、背中が下方に凸のアーチが出来た肢位を繰り返すエクササイズです。
20回を3セットやりましょう。

  

このエクササイズは肩甲骨と骨盤帯の協調性(連動性)を高めるのに効果的です。腰痛予防・痛みの軽減にも効果があります。

さらに発展系として、スクラムの姿勢(通称亀)になり、腕立てをします。その際に肩甲骨を寄せながら(内転させながら)、上半身を下ろしていってください。これはスクラムのヒット後の伸びる動作にかなり近い動きです。またスクラム練習前のウォーミングアップとしてかなり効果的なエクササイズです。

今回紹介したエクササイズはウエイトトレーニング前や練習前後の補強トレーニングとして行うことで効果が得られます。ウォーミングアップやクーリングダウンとしても効果的です。

おまけ

IRBによるとイングランドなどでのスクラム事故が多く発生した事が今回のルール改正のきっかけと説明しています。「タッチ」が入ることで、さらにスクラムの安全性は増すだろうし、それに加えてスクラムの組みなおしも絶対に減ることが予想されます。よりボールゲームとしてのラグビーが楽しめるはずだと思っています。

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